柔道整復師(接骨院・整骨院)の施術を受ける前に

1. 接骨院・整骨院の施術には健康保険証が使える場合と使えない場合があります。
2. 健保からのお願いとご連絡
3. 安心な接骨院・整骨院で施術を受けましょう。
4. 柔道整復師(接骨院・整骨院)に「いつ」「どこで」「どうして」負傷したかを伝えましょう。
5. 保険適用と判断され受療した場合は健康保険組合への療養費支給申請手続き(受領委任*の署名)が必要になります。
6. 重症化を防ぐためにも内科・整形外科などの医療機関を受診しましょう。

1. 接骨院・整骨院の施術には健康保険証が使える場合と使えない場合があります。

健康保険証が使える場合 外傷性が明らかな負傷のみ

負傷原因がはっきりしている、以下の外傷性の負傷で慢性に至っていないものに限られます。

  • 打撲
  • ねんざ
  • 肉離れ(挫傷)
  • 骨折・ひび(不全骨折)※2
  • 脱臼 ※2

※1 内科的要因による疾患は含まれません
※2 骨折・ひび(不全骨折)、脱臼は、応急手当の場合を除き医師の同意が必要です
※3 骨・腱・筋・関節・靭帯などのケガが保険適用となります

健康保険証が使えない場合 病気による痛み、慢性的な痛み、原因不明の痛み

富士フイルムグループ健康保険組合では2023年度の接骨院・整骨院での受療に対し
316件不支給決定(※)をし、金額にして約1,347千円が全額自費扱いとなりました。

不支給決定(※)
施術所(接骨院・整骨院)から「保険適用」と説明を受け受療料の一部負担金(3割or2割)
を施術所に支払った後、その受療内容について健保組合が点検を行い、残りの健保負担(7割or8割)
の受療料について「保険適用外」の決定をすること。

不支給決定後は、残りの健保負担分(7割or8割)の受療料は、
施術所(接骨院・整骨院)から被保険者に請求されることになります。
ただし、施術所の判断により請求されない場合もあります。
 

  • 日常生活による単なる疲れや肩こり
  • スポーツなどによる肉体疲労からの回復目的
  • 加齢からの痛み
  • 特に症状の改善がみられない長期にわたる漫然とした施術
  • 脳疾患などの後遺症
  • リウマチ・関節炎などの痛み
  • 打撲・ねんざ・肉離れ(挫傷)で、外科・内科・整形外科など医療機関で治療を受けながら、同時に同一部位への施術で接骨院・整骨院にかかっている場合
  • 通勤中や勤務中の負傷(健康保険ではなく労災保険の適用)

※ 通勤中や勤務中に病気やケガを負った場合、労災保険より保険給付を受けるため健康保険を使用しての治療や受療は受けられません。その場合、まずは勤務先の労災担当にご連絡の上、労働基準監督署へのお手続きをお願いします。
詳しくは、通勤途上または業務中にケガをした場合 をご確認ください。

2. 健保からのお願いとご連絡

(1)健康保険組合(点検業務委託先*)からの照会には期日厳守でご回答をお願いします
(2)期日までにご回答いただけなかった場合「不支給」になる場合がございます
(3)照会に対する回答は被保険者(受療者がご家族の場合はお聴き取りの上)が回答しましょう
(4)『医療費通知』の内容を必ずチェックしましょう

(1)健康保険組合(点検業務委託先*)からの照会には期日厳守でご回答をお願いします

照会は文書以外(電話やメール等)でも実施させていただいております。
なお、富士フイルムグループ健康保険組合は個人情報保護法に則った専門業者に業務委託を行っており、知り得た情報を目的外に利用することや点検業務委託先*から代金を請求されることはありません。

点検業務委託先*株式会社 大正オーディット 健康保険事務センター
東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ7F
電話:03-6805-6281

(2)期日までご回答いただけなかった場合「不支給」になる場合がございます

期日までにご回答いただけない場合、正しい給付の可否判断が出来ないため、健康保険法第59条第1項および、健康保険法第121条第1項にもとづき「不支給」になる場合がございます。照会に対するご回答は期日厳守でお願いいたします。

※健康保険法第59条第1項
保険者は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受ける者(当該保険給付が被扶養者に係るものである場合には、当該被扶養者を含む。第百二十一条において同じ。)に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。

※健康保険法第121条第1項
保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに第五十九条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

(3)照会に対する回答は被保険者(受療者がご家族の場合はお聴き取りの上)が回答しましょう

接骨院・整骨院で受療された方の「負傷原因」照会となりますが、健保組合に受領委任請求をした被保険者が分かる範囲で回答してください。
 

接骨院・整骨院の受療内容はメモをして領収書とともに保管しておきましょう

照会のタイミングは早くても受療から2~3カ月後になります。そのため、記憶が曖昧になる可能性がございますので、接骨院・整骨院で受療した場合は負傷部位や、受療日数などの受療内容のメモを取り領収書とともに保管しておきましょう。
領収書に記載されてある「保険内」・「保険外」の内訳についてきちんと確認し把握しておくよう心がけましょう。

(4)『医療費通知』の内容を必ずチェックしましょう

被保険者、被保険者のご家族様が医療機関や接骨院・整骨院などにかかった場合、「医療費のお知らせ」を通知しています。
領収書と突合して必ず通知内容をご確認ください。
詳しくは➡『医療費通知』医療機関を受診した方へ~あなたや、あなたのご家族が保険証にて診療した内容が確認できます よりご確認ください。

内容に心当たりがない場合は、柔整担当 0465-32-2131 までご連絡ください。

3. 安心な接骨院・整骨院で施術を受けましょう。

あなたの知っている接骨院・整骨院は安心できる施術所ですか?
安心な接骨院・整骨院のチェックポイントは ➡コチラ からご確認ください

4. 柔道整復師(接骨院・整骨院)に「いつ」「どこで」「どうして」負傷したかを伝えましょう。

「痛みの原因」が保険を適用するか否かの判断に用いられます。
安心な接骨院・整骨院の場合、痛みの原因を把握せずにいきなり「健康保険証の提示」を求めたり、「施術が行われる」ことはあり得ません。

5. 保険適用と判断され受療した場合は健康保険組合への療養費支給申請手続き(受領委任*の署名)が必要になります。

・受領委任*とは?
・署名のチェックポイント
・接骨院・整骨院の施術に係る療養費の支払い方法の変更について

受領委任*とは?

健康保険を利用した接骨院・整骨院での受療料は、患者が一部負担金を柔道整復師(接骨院・整骨院)に支払い、その残りの受療料を患者が柔道整復師(接骨院・整骨院)に委任し、柔道整復師(接骨院・整骨院)が患者に代わって健康保険組合に請求すること。
患者救済のための「やむを得ない」接骨院・整骨院での受療にこの「受領委任」の制度が特別に認められています。

柔道整復施術療養費支給申請の手続き「受領委任払い」

署名のチェックポイント

氏名・住所
被保険者(世帯主)氏名になっていますか?
被保険者(世帯主)が居住する住所になっていますか?
※受療者が親元を離れている学生の方であっても住所の記載は被保険者(世帯主)の住所でなければなりません。

負傷名
健康保険証が使えると説明を受けた負傷名のみが記載されていますか?
負傷年月日は合っていますか?
実際にケガをした部位になっていますか?ケガをしていない部位まで書かれていませんか?

施術日
申請は暦月ごとになります。接骨院・整骨院で受療した日に印がついていますか?

一部負担金
接骨院・整骨院に支払った(保険内の)領収額と合っていますか?
※「保険内」「保険外」の領収書の内訳を必ず確認しましょう!
接骨院・整骨院は領収書を無料発行することが義務付けられています。毎回きちんと受け取り、大切に保管しておきましょう。

施術所名
施術証明欄に記載されている「施術所名」は予約時もしくは、実際に足を運んだ施術所名と相違ありませんか? 名称が異なっている場合、その理由についてきちんと確認するようにしましょう。
整体に健康保険証は必要ありません。整体予約の場合は、本申請書類に署名を求められてもサインはしないでください。

最終確認、受領委任のサイン
をチェックし間違いがないか必ず確認してから受領委任(の被保険者名)のサインをしましょう!
※手を負傷し筆記具が持てないなどに限り受け取り代理人への委任の欄は代理署名が許されています。
代理署名が必要な場合は、印鑑持参の上、代理署名欄を必ず確認してから、押印しましょう。

 注意!

中には申請書右下の委任のサイン欄以外見えない下敷きを使い、申請内容を伏せた状態で委任のサインを求める悪質な接骨院・整骨院も存在しており問題となっております。申請書の内容は必ず確認した上で委任のサインに応じましょう。

お気づきの点がございましたら柔整担当 0465-32-2131 までご連絡ください。

接骨院・整骨院の施術に係る療養費の支払い方法の変更について

2022年3月22日付厚労省通知『「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について』において、施術の必要性を個々に確認する必要があると合理的に認められる患者については、受領委任払いの取扱いを中止し、当該患者に対する施術を償還払いに変更できることとされました。
これを受け、2022年10月1日より、下記の条件に該当する患者については、必要に応じ「受領委任払い」から「償還払い」に変更させていただきます。

「受領委任払い」から「償還払い」に変更する場合がある「対象者」について

以下の1~4のいずれかに該当した場合、「受領委任払い」から「償還払い」に変更する場合があります。

  1. 自己施術(柔道整復師による自身に対する施術)に係る療養費の請求が行われた柔道整復師である患者
  2. 自家施術(柔道整復師によるその家族に対する施術、柔道整復師によるその関連施術所の開設者及び従業員に対する施術)を繰り返し受けている患者
  3. 保険者等が患者に対する照会を適切な時期にその患者に分かりやすい照会内容で繰り返し行っても回答しない患者
  4. 複数の施術所において同部位の施術を重複して受けている患者

「受領委任払い」から「償還払い」に変更する場合の手順についてはコチラ

6. 重症化を防ぐためにも内科・整形外科などの医療機関を受診しましょう。

長期にわたって接骨院・整骨院にかかりながらも症状の改善が見られないときは他の疾患が原因となっている可能性があります。
専門医の治療が必要なケースも懸念されるため医療機関を受診しましょう。

このような事例もあります!

手技による医業類似行為の危害

接骨院に行ったら痛みがひどくなったが、病院に行かず通院を続けるよう言われた。肩こりが続き接骨院に行ったところ、捻挫と言われた。通院するうちに痛みがひどくなり、物を持とうとしても手が震えたり睡眠中に激痛で目覚めるようになった。先生に話したが、「捻挫 から四十肩になっている。提携病院を紹介してもよいがきちんと固まっていないと注射は打てない。自分に対する信頼性がないから治りが悪い」と言われ、現時点では病院に行くよりこのまま通う方が良いと思い、通い続けた。今月初めに整形外科を訪ねたら「左肩関節周囲炎石灰沈着性 凝固肩」と診断され注射を打った。今まで無理に引っ張ったり伸ばしたり不適切な治療をしてきたので炎症を起こしたと思う。
(受付年月:2011 年 3 月、神奈川県・40 歳代・女性)


 

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