被扶養者になれる人の収入基準とは

健康保険では、被保険者の収入で生計を立てている扶養家族についても給付を行っています。この扶養家族を「被扶養者」といいます。
被扶養者になれる人は「国内居住」であり、「家族の範囲」「収入」について一定の条件があります。ここでは「被扶養者になれる人の収入基準」について説明します。

被扶養者として認定されるための収入基準

  1. 認定対象者の収入が「収入基準額未満」である
  2. 主として被保険者の収入で生計を維持されている

健康保険の被扶養者は“所得税法上の被扶養者(生計を一にする親族で、所得金額が一定以下の者)”と条件が異なるため、収入基準額も年齢等に応じて下記のとおり定められています。

対象 収入
60歳未満の方 年収130万円未満
(目安:月額108,334円)
60歳以上の方または
障害年金受給者
年収180万円未満
(目安:月額150,000円)

※雇用保険の失業給付・健康保険の傷病手当金・出産手当金については日額で収入を判断します。収入基準額(60歳未満の方:3,612円/日 60歳以上の方・障害年金受給者:5,000円/日)を下回っていれば扶養認定できます。収入基準額を上回る場合は、受給終了後の手続きとなります。

※2023年9月に政府より発表された「年収の壁・支援強化パッケージ」により、人手不足による一時的な収入超過であることを事業主が証明することで、連続2回(2年)に限り、収入超過を理由に扶養から外れないことになりました。詳細はお知らせをご確認ください。

収入基準額の考え方

新たに家族を扶養申請する場合(被扶養者異動 増加届)

  • 健保では被扶養者認定(増加申請)の場合、認定される日以降の「向こう1年間の収入見込額」で審査しています。

    ※給与所得者は勤務先が証明する健保所定の「勤務形態証明書」、公的年金受給者は年金事務所発行の「年金振込通知書」などで月額収入を年収に換算して審査します。
    ※申請時の必要書類等詳細はコチラを参照してください。

自営業に従事する方は、総収入額から当健保組合が認める「直接的経費」を差し引いた金額で判断します。
「直接的経費」とは税法上の経費とは異なり、その費用なしには事業が成り立たない経費を指し、
事業所得を得るために必要であると当健保組合が認定した最低限度の経費のことです。
当健保組合が認定した「直接的経費」はコチラ

ご家族を当健保の被扶養者から外す場合の考え方(被扶養者異動 減少届)

  • 当健保の被扶養者が扶養から外れる場合(減少申請)、直近の収入実績(月額)から年収見込額を想定して判断しています。
  • 2か月連続して収入基準額(108,334円/月または150,000円/月)を超過した場合は、速やかに減少届を提出してください。
  • 勤務日数が月によってバラつきがある場合の判断基準はコチラを参照してください。

被扶養者認定時に審査対象となる収入

  • 「所得金額(※2)」ではなく「収入金額(※3)」で判断します。
    ※2「所得金額」:収入金額から必要経費を差し引いた金額のこと
    ※3「収入金額」:税金や社会保険料等が差し引かれる前の金額のこと
  • 継続性のある収入のすべてが審査の対象です。(一時的な収入は審査対象外)
継続性のある収入(審査対象) 一時的な収入(審査対象外)
給与収入 給与・賞与・交通費等各手当を含む税金等控除前の総支給額 ●一括で受け取る退職金
●継続性のない譲渡収入、遺産相続、不動産売却収入
●再就職手当、高年齢求職者給付金など一時金として支払われる雇用保険各種給付金
●生命保険の一時金
●出産育児一時金
●懸賞の賞金

など
各種年金 国民年金、厚生年金、企業年金、個人年金、共済年金、障害年金、遺族年金、各種恩給、労災年金(介護保険料等控除前の総支給額)
事業収入 営業・農業等
不動産収入 土地、家屋、駐車場等の賃貸収入
利子・投資収入 預貯金利子、有価証券利子、株式配当金等
被保険者以外からの仕送り 生活費、養育費等
その他継続性のある収入 譲渡収入や遺産相続の分割収入
育児休業給付金、職業訓練受講給付金、年金生活者支援給付金等 各種給付金(4)
研究などの労働の対価として継続的に支給される奨学金(5)
雇用保険、傷病手当金、出産手当金→日額で判断します

4 継続性のある給付金(毎月/年1回を5年間など)は審査対象となりますが、一度しか受け取らない給付金は審査対象外です。

5 学費に充当される奨学金は審査対象外です。

全対象者共通の条件 ●認定対象者の年収が被保険者の年収の2分の1未満であること。
(ただし、配偶者・子、任継・特退は除く)
子の申請で、当健保に加入していない配偶者がいる場合(夫婦共同扶養)
※夫婦どちらの扶養にするのが妥当であるかの判断
●被保険者と配偶者の収入を比較し、どちらが「主たる生計者であるか」を判断します。
●被保険者の収入>配偶者の収入の場合は子の扶養申請ができます。
●被保険者と配偶者の収入が同程度(差異が多い方の1割以内)の場合は子の扶養申請ができます。(下表例1)

  例1 例2
夫(被保険者)の収入 500万円 500万円
妻(他健保加入)の収入 550万円(1割=55万円) 600万円(1割=60万円)
収入の差異 50万円
(多い方の1割以内)
100万円
(多い方の1割以上)
夫(被保険者)からの子の申請 不可

※夫婦共同扶養の特例について
主として生計を維持する者が育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は被扶養者の異動はしないこととします。(ただし、新たに誕生した子については通常通りの収入比較により認定を行います)

両親等の収入のある夫婦を申請する場合 ●生活費で比較し、「被保険者が主たる生計者であるか」を判断します。
[例:夫婦(両親等)の生活費 < 被保険者に扶養された場合の生活費⇒認定可]
  • 被保険者と「別居」の場合の追加条件はコチラをご確認ください。
  • 主たる生計者変更により扶養申請する場合は、その理由を明記してください。
    (例:妻の収入>夫の収入だったものが、妻の収入<夫の収入となったために、子供を妻の扶養から夫の扶養へ変更するとき 等)
1 被扶養者は、健康保険法に定める三親等内の親族ですか?
※後期高齢者医療制度に該当している場合は、被扶養者申請はできません

No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
2 被扶養者は、国内に住民票がありますか?(または住民票はないが、例外要件をみたしていますか?)
※例外要件の詳細は「海外居住者の被扶養者認定について(国内居住要件)」を参照

No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
3 被扶養者の年収は、下記の基準を満たしていますか?
60歳未満の方:年収130万円未満(目安:月額108,334円)
60歳以上または障害年金受給者:年収180万円未満(目安:月額150,000円)

No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
4 被扶養者の年収は、被保険者の2分の1未満ですか?(配偶者・子、任継・特退は除く)
No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
5 被扶養者は、被保険者と同居していますか?(住民票ではなく、実態で判断します)
Yes
被扶養者資格が
ある可能性が
あります。
必要書類を添えて
申請してください。
  ↓No    
6 被扶養者は、「三親等内 親族表」に該当しますか?
=同居・別居問わず、条件を満たせば被扶養者になれる人

No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
7 被扶養者への送金の条件を満たしていますか?(詳細は「別居親族の審査」を参照)
No
被扶養者資格が
ありません
  ↓Yes    
  被扶養者資格がある可能性があります。
必要書類を添えて申請してください。
   
  • 被扶養者を申請する場合は、「被扶養者異動届」に証拠書類を添えて提出してください。
  • 被保険者が、被扶養者申請した方の「主たる生計者である」と健保が判断した場合は被扶養者として認定され、健康保険証が交付されます。

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