富士フイルム健康管理センター 小田原健康管理室 保健師 菅野翔子
寒い季節となりました。寒くて気持ちも身体もなんとなく不調という方がいらっしゃるのではないでしょうか。子どもの時は体温が36.6℃だったのに、最近は体温が36.0℃や、35℃台だなんてことはありませんか。私は一時期体温が35.8℃なんてことがありました。その時は腰痛や足のむくみ、手足が冷えて寝付けない、顔がほてる、ダイエットをしても痩せないといったことがありました。
東洋医学で「冷えは万病のもと」と考えられていますが、身体が冷えると不眠や疲れが取れない、免疫力低下、月経不順などを起こすこともあり、風邪やうつ病など様々な疾病につながると言われています。新陳代謝も下がるので、肥満や顔にシミ・シワ・クマ・くすみが出やすくなり美容にも良くありません。私は、運動・食事・入浴の3つを少し意識するだけで症状が改善しました。以下ご紹介します。
◎身体を温めるには、身体で熱をつくり、熱を全身に行き渡らせる必要があります。
「熱の生産」は食事の消化分解と筋肉を動かすことで出来ます。
「熱の運搬」は自律神経も関わり血管の拡張収縮などを調整し血流で熱を行き渡らせます。
1.運動は下半身・体幹強化がおすすめ
筋肉は基礎代謝(安静な状態で生命維持のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量)の中で一番エネルギーを消費します。筋肉量が増えると基礎代謝が増し体温維持が出来るようになるだけでなく、痩せやすくなります。そこで、効率よく筋肉を増やすには筋肉量が多い下半身と、姿勢も良くなり基礎代謝を増やす体幹を鍛えると良いです。また、ふくらはぎの筋肉が鍛えられるとポンプの様に働き血流が良くなります。
私は「スクワット」や「つま先・かかと上げ下げ運動」をしました。エレベーターではなく階段を使い、歩く時は股関節から脚が前に出るようイメージし腕を付け根から前後に振るように意識しました。また、気が付いた時は姿勢を正すようにしました。
2.食事は温かいものをよく噛んで摂る、朝食を摂ると良し
身体を温める食材や冷やす食材があると言われますが、煮込んだり香辛料を入れるなど温かく調理をすればトマトなど身体を冷やす食材も身体を温めてくれますので、食材にこだわりストレスにならないよう、温かい料理をよく噛んで食べると良いです。朝食はバナナを食べる・スープを飲むなど軽くても良いので食べるようにすると、自律神経が整い、腸も動き出し、脳にもエネルギーが行くので快適に活動出来るようになりますよ。また、良く噛むことで満腹感も得られますし、筋肉も動き、消化もしやすくなり熱が生産されます。
3.入浴し身体の芯を温め、身体をほぐして良い睡眠
就寝の2~3時間前に38~40度のお湯に20~30分浸かると身体が芯まで温まり、ちょうど寝るときには手足に熱が移動し深部体温が下がり良質な睡眠に導きます。長時間靴下をはいていると血流が滞り逆に手足が冷えますので、寝る時には靴下を脱ぎ手足への熱の変化を妨げないようにしてください。また、スクワットなどの全身運動は睡眠に影響が出ないように入浴前に済ませましょう。入浴後は背伸びなど身体を伸ばすとリラックス出来て気持ち良く眠りやすくなりますよ。
ストレスでさらに冷え症にならないように、気持ち良く過ごして体の不調が改善出来るよう自分にあった方法を取り入れてみてください。足首をぐるぐる回したり、つま先とかかとを上げ下げしたりする運動は、座っていても立っていても出来るので、仕事や歯磨きをしながら行え、取り入れやすいと思います。