5/31が何の日か知っていますか?
答えはズバリ、「世界禁煙デー」です。
WHO(世界保健機構)が設立40周年を迎えた1988年に制定した国際デーで、この日は各地で毎年マラソン大会などのイベントを開いて「世界が一つになって禁煙を呼び掛ける日」となっています。
(「国際デー」とは全世界的な記念日で実は「メーデー」などもそれにあたります)
いま世界では5人に1人の喫煙者(約10億人)がいると言われています。
そして毎年300万人もの人が喫煙を原因とするがんや心臓病で亡くなっており、その数は将来増加するだろうとWHOで警告しています。
世界で猛威を振るっている新型コロナは海外を中心に多くの死亡者がでていること周知のとおりですが、その累計死亡者数は約350万人(5/25現在)です。
新型コロナは、人類が疾病を十分に抑え込めていない点でメディアで注目されていますが、実は、コロナに匹敵する死亡者が、喫煙が原因で毎年発生していることになります。
「いま、喫煙が原因で毎年300万人がなくなっています」と伝えても、ニュース性がなくメディアも報じませんが、ニュースに載る載らないで世の中で起きている事実の軽重を判断するのは早計で、実は恐ろしいことが毎年起きていると思うのは私だけでしょうか。「防ぐ手立てが十分でないコロナ」は怖れ、「100%防ぐ手立てがある喫煙」は怖れない不思議さに気が付いても良いのではないでしょうか。
日本に目を転じてみます。
2019年度の「国民健康・栄養調査」では、現在、日本の喫煙率は16.7%でした。
ご存じのとおり、男女ではだいぶん差があって、男性が27.1%、女性が7.6%となっています。
昔はどうだったでしょうか。
日本の喫煙率のピークは1966年(昭和41年)。
今から55年前、日本の総人口が1億人を超え、ビートルズが来日した年ですからだいぶん前ですが、その時の喫煙率は何と男性が83.7%、女性も18.0%でした。
会議中にもうもうと紫煙が漂い、オフィスの灰皿が吸い殻で山盛りになるのが当たり前だった時代と比べると、2021年の今は本当に喫煙景色が変わりました。
でも、当時はそんなことは誰も思ったりしなかったことでしょう。
「未来は過去の歴史に学ぶ」のだとすれば、この先、さらに喫煙の景色が変わる可能性があると言って良いと勝手に思っています。(ちなみに国の目標は12%です)
健保では健康推進Gや関係会社各社健康推進責任者・担当者と緊密に協働し全社的な禁煙施策を継続的に展開してきています。
各社では就業規則に就業時間中の禁煙が謳われ、敷地内禁煙も展開されています。会社が展開する「7つの健康行動」の中でも、「禁煙」が謳われています。
健保で展開した社内施策もオンライン禁煙・禁煙パッチ・禁煙ガムで合計1100人以上もの応募がありました。
2021年度もこれからの施策を継続して展開し、“無理のない卒煙”を目指します。
コロナは「正しく怖れる」必要ありである一方、喫煙は禁煙で「怖れるに足らず」ということかと思います。
そろそろ紫煙から離れて、世界中の人が見上げる5/31の青空を見てみませんか?
(註1)新型コロナと喫煙
新型コロナ感染症は8割の人が無症状か風邪程度の症状で留まると言われますが、約2割の人は肺炎などをき引き起こし、重症化している人もいます。WHOは重症化している人の中では喫煙者は非喫煙者と比較してリスクが高いと報告をしています。
(註2)「けんぽの部屋」再録
これまでの「けんぽの部屋」にも「たばこ」に関するブログが掲載されています。
合わせてお読みいただければと思います。
・2018.12.17 『正月を機に禁煙しよう』 (健セ事務長代理 福永隆さん)
・2019.11.26 『新型タバコについて(1)』 (健セ医師 川並義也さん)
・2019.12.23 『新型タバコについて(2)』 (健セ医師 川並義也さん)
(註3)「7つの健康行動」のロゴができました!
この中で「たばこは禁煙!」をイメージしてもらえたら、という強い思いがこめられています。