けんぽの部屋
2019年11月26日
「新型タバコについて(1)」 健セ 産業医 川並義也 

コンビニのレジそばに必ずと言っていいほど特殊なタバコの看板を見かけませんか。

今、タバコ会社が競って売り出している新型タバコの看板です。

この新型タバコについて解説と、個人的な見解を書きたいと思います。

<概要>

新型タバコは、加熱式タバコと電子タバコを合わせたものの総称です。

このふたつは、日本では法律上似て非なるものです。

①電子タバコ

電子タバコは、プロピレングリコール、グリセロール、食品添加物、香料でできたリキッドを加熱、出てきたエアロゾルを吸う器具です。欧米ではニコチン添加された商品もありますが、日本では法律上、ニコチン添加が許可されていません。

日本で公式に販売されているものは、様々な香料を添加して風味付けし、タバコを吸った気にさせる器具となっています。昔の禁煙パイポの改良版といったところでしょうか。

ただ、個人輸入した商品や、いかがわしいネット経由で購入した商品にニコチンが入っている場合もあり、何が添加されているかわからない場合もあります。

実際、アメリカでは麻薬の入っている商品が出回っており死者が出ているようです。アメリカでは電子タバコが禁止されたようです。

②加熱式タバコ

加熱式タバコは、細かく刻んだタバコの葉にプロピレングリコールとグリセロールを染み込ませ作ったスティックを使います。そのスティックを吸入用の加熱器具に差し込み加熱します。

スティックの吸い口から出てくる、ニコチンなどを含むプロピレングリコールとグリセロールのエアロゾルを吸います。紙巻きタバコの様に先から立ち上る副流煙はありませんが、喫煙者の吐く息が副流煙になります。

加熱式タバコは、基本的には紙巻きタバコと同じです。たばこ葉を加熱して出てくるニコチンと有害物質を吸います。大きく違うところは、加熱方法・温度と吸う物質の形態です。

紙巻きタバコの加熱方法は燃焼で700~900℃と非常に高温になります。このため、吸う物質は煙となりガス状物質とタールと称される粒子状物質になります。

加熱式タバコは、電気ヒーターで200~350℃に加熱します。タールが発生しにくい温度にしているようです。吸う物質は、ニコチンと有害物質を含むプロピレングリコールとグリセロールのエアロゾルになります。

今回は、新型タバコについて、どんなものか書きました。

次回は、その安全性や禁煙につながるのかなどを書きたいと思います。