けんぽの部屋
2022年09月15日
「野菜をプラスもう一皿で健康に」富士フイルム健康管理センター 保健師 中村佳代子

夏の暑さも少しずつ和らぎ、秋を感じる季節になってきました。秋といえば「食欲の秋」ですね。
スーパーに行くと、ごぼうや人参、かぼちゃ、さつまいもなどの秋の野菜が並び、美味しい時期になります。野菜は健康のためによい、野菜を食べた方がよいと知っている方は多いと思います。では、どうして野菜が健康によいのでしょうか。また、どのくらいの量を食べればよいのでしょうか。

野菜を食べるメリット

食事は、野菜だけではなく、ごはんやパン、肉・魚、野菜や果物などをバランスよくとることが大切です。
特に野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれ、身体に栄養として寄与する割合がとても高いため、十分に摂ることを勧められています。

ビタミン

□炭水化物が、体内でエネルギーに変わるよう助けてくれます。
□カロテン(にんじんやほうれん草等)やビタミンC(ブロッコリー、さつまいも、ピーマン、パプリカなど)、ビタミンE(カボチャなど)、リコピン(トマトなど)の抗酸化ビタミンは、身体の酸化を抑制してくれます。

ミネラル

□カリウム(水菜、キャベツ、レタス等)は、余分な塩分を体の外へ排出を促す作用があります。
※腎臓病でカリウム制限がある方は摂取量に注意が必要です。
□ カルシウム(小松菜、ほうれん草など)は、骨や歯の形成をしてくれます。

食物繊維(ごぼう、おくら、さつまいも、ブロッコリー、キャベツ等)

□ お腹の調子を整えてくれます。
□ 過剰な糖質や脂質の吸収を抑えてくれます。
□ 低脂肪、低エネルギーで「かさ」が多いので満腹感が得られます。

食べる順番のポイント
野菜や海草、きのこ等の繊維のある食べ物からよく噛んで食べると満腹感が得られ、また、急激な血糖上昇を抑えることができます。

野菜・繊維(副菜)→魚・肉(主菜)→ご飯などの糖質(主食)の順番がお勧めです。

 

このように野菜にはメリットが沢山ありますが、毎日どのくらい食べればいいのでしょうか。

野菜の1日の目安量

野菜は1日350g以上食べることが目標と言われています。
では、この350gの量は、実際どのくらいでしょうか。
①生野菜なら「両手で3杯分」、茹でたり炒めた場合は「片手3杯分」に相当します。

 

350gのうち120g程度は、緑黄色野菜が望ましいと言われています。

 

 

② 小皿1皿分(小鉢)の野菜を70gとすると、1日5皿分に相当します。

※図:厚生労働省 生活習慣病情報サイトより引用

野菜の摂取量

 

 

国民栄養調査によると、日本人の野菜摂取量の状況は、1日280.5gであり、目標値と比べて69.5g、約70g不足していることが分かっています。

年齢別では、男女ともに20~40歳代で少なく、60歳以上で多いことが分かっています。

 

 

 

 

毎日野菜をプラスもう一皿

野菜のお惣菜の小鉢一皿は、だいたい70gと言われています。忙しいときなど、簡単に生野菜を食卓に出す場合は、中玉トマトなら半分、キュウリなら中くらい1本分、レタスなら中ほどの葉2枚分、玉ねぎなら4分の1個分くらいの量になります。私も忙しいときは、夜ご飯にトマトを半分に切ってプラスして盛り付けることから始めています。
みなさんも、お昼のお弁当にほうれん草のおひたしやきんぴらごぼうを1皿足してみることから始めてみませんか。