健健保 小林祐司です。私は1987年4月1日に22歳で富士フイルムビジネスイノベーション(FB:旧富士ゼロックス)へ入社して、2024年10月の還暦を機に健保役員を退任させていただきました。
健入社後37年8ヵ月間「初志貫徹」の思いで走ってきた中で、50代になって「心と体の健康」について向き合えるようになったと感じています。そんな私の気付きについて振り返りたいと思います。
健私は子供の頃から、いたずら少年で通信簿には「落ち着きがない」と書かれるような暴れ者。アルバイトも長続きしない利己的な人間でしたが、FBの入社試験に合格できたことが嬉しく「ワクワク」して入社式に臨んだ思い出があります。素行が悪かったせいか、周囲から入社しても長続きしないと思われていたようです。こんな出来の悪い私を受け入れていただいた会社に感謝し、60歳定年まで利他的な思考を意識した会社生活を送っていこうと考えました。
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入入社後、5つの組織(➀テクニカルサービス ➁労働組合 ➂サービス企画室 ➃人事部 ➄FFG健保)を経験しました。どこの組織に異動しても優秀な方々ばかり、出来の悪い私はカルチャーショックを受けながらも、何度も苦しい壁にぶち当たりました。特に役割・職種変更時は、仕事に必要な基礎知識も不十分で、若き頃の勉強不足がカウンターパンチのように効いて追い詰められたものです。
<心の健康>
健30代から40代の頃は「やらなければならない」「失敗できない」という硬直した考えで過ごしていたためなのか、仕事に対する「ワクワク感」が年齢とともに徐々に薄れてきた自分に気づきました。また、会社の構造改革期においては、表舞台に立って対応する厳しい役割の苦痛を義務感で乗り越えてきた思い出があります。仕事は選べず避けて通れないもの、これを「やらなければならない」という仕事への心の向き合い方が、過剰なストレスを自らにかけていたように思います。
健当時週末に通っていた合気道の精神をより深く知るために「気と心」の関係を勉強しました。「気が通っているときには心を自由自在に使える」というものです。「やる気」という言葉がありますが、これも文字通り「気」を指していて、滞っている「気」は「呼吸を静める」ことで解消するといわれています。「呼吸を静めてプラス思考」がセルフコントロールの極意でした。
健私の経験から得た対処法としては、これを「やらなければならない」の考えから、自分は「こうしたい」という考えで進めていくことです。少し視点を変えて見つめ直すことで、自分自身の工夫や意志が加わりますし、その成果も楽しみに繋がると思います。私が担当していた組織の事例ですが、「この仕事は、なぜ、何のために、やるのか」の意義をメンバー間で確認して「どのようにやろうか」と意見を出しあい、無事全社導入できた健康増進事業があります。一時的な業務繁忙などの苦労はありましたが、今ではその事業推進のためにメンバーが主体的に取り組んでいます。ちょっとした気づきですが、自分は「こうしたい」の考えで「ワクワク感」をもって取り組んでいることが「心の健康」であり、その積み重ねがwell-beingに繋がると感じています。
<体の健康>
健「体の健康」の大切さを思い知らされたのは、40代以降に身近な方の死に直面したことです。一緒に仕事をした仲間を癌で亡くし、身内の中にも喫煙と食事の習慣から糖尿病を発症し、亡くなった者がいます。もう少し「早く検査」を受けていれば、もう少し「生活習慣を変える」ことができていれば、と残念な思いでいっぱいです。若いころから不摂生な生活を繰り返していた私も健康について考えるようになり、胃の内視鏡検査を受診するようにしました。検査結果はピロリ菌による炎症が進行していましたが胃癌発症前に見つけることができました。今では毎年の内視鏡検査で駆除後の経過観察を確認しています。
健55歳の時に健保で健康増進の責任者の仕事をさせていただきました。実体験で得た健康行動の重要性を「こうしたい」という気持ちで旗振りをしてきました。微力ですが健康経営に貢献できたことが嬉しく思いますし、会社生活の集大成として最後に富士フイルムグループ全体に関わる仕事に携われたことに感謝しています。
<退任にあたり>
健紆余曲折のあった37年8ヵ月間の会社生活でしたが、「初志貫徹」の思いで卒業を迎えることができたので、セカンドライフに向けて「ワクワク」しています。今後は中途半端にしていた趣味や勉強したかったことを学ぶなど、自分中心(自分らしく生きる やりたいことをやる)に時間を使っていきたいと考えています。
健私は、自然の中に身を置いている時が好きなので、家庭菜園/ガーデニング/トレイルウォーキングなどの穏やかな生活を夢見ています。セカンドライフでは、焦らず、ひと呼吸おいて、今の瞬間を愉しみながら、自然共生から癒しを得る健康生活を過ごしたいと考えています。