保険証が廃止(※)となる2024年12月2日に向け、残すところ4カ月余りとなりましたが、我々健保でも、これに向けて、いろいろな準備を進めているところです。本日はそのいくつかについてご紹介させていただきたいと思います。
※現在お持ちの保険証自体は2025年12月1日までは使用可能ですが、2024年12月2日以降、新規での保険証発行は廃止となります。
1そのため、その間「新しく健保に加入するとき」「事業所の移籍等で保険証に記載されている番号が変わるとき」「保険証を紛失
1したとき」には保険証は新規発行されません。
1.「資格確認書の発行」と「マイナ保険証登録に向けたPR」
1例えば、介護が必要な方など、ご自身では病院などに設置されている「顔認証カードリーダー」を使って健康保険資格の確認ができない方もいらっしゃると思います。またマイナンバーカードに対する不安から、あえてマイナ保険証を持たない方もいらっしゃると思います。そういう方々でも健康保険の制度を使って医療を受けられるように、健保では国からの指示に基づき、マイナ保険証を持っていない方に対し、「資格確認書」というものを新たに発行(※)することとなりました。
※現在加入されている方でマイナ保険証をお持ちでない方に対しては2025年11月頃を目途に発行する予定です)
そこで、健保では現在
・資格確認書にどういう情報を記載するか?
・有効期限はどのくらいの期間にするか?
・対象となる方をどのように把握していくか?
など、いろいろな項目について検討しながら決めているところです。また「資格確認書」を発行するためのシステムについても開発を進めているところです。
1「資格確認書」を発行に関してですが、単純に“健保が紙に印刷して終わり”というわけではなく、例えば、それを各会社の人事担当者の方から被保険者の皆様に渡してもらったり、退職等で健保を脱退する際には回収してもらったり、多くの関係者の方にいろいろとご協力いただかなくてはなりません。
1そのため、我々健保のみならず、グループ全体としても「資格確認書」を発行する対象者は少ない方がいろいろな付帯業務が減ることになります。
1まだマイナ保険証をお持ちでない方には、マイナ保険証のメリットを訴えるような情報、マイナ保険証に対する不安を取り除けるような情報を発信し、一人でも多くの方に「マイナ保険証」を持っていただけるようPR活動をさせて頂いております(今後イントラサイトでも何回かにわたって、情報発信していきますので、在職者の方はぜひご覧になってください)。
1では、マイナ保険証のメリットというと、どんなものがあるでしょう?
1良く言われているのは、他の病院でどういう診療を受け、どういう薬を出されたか?といった情報を医師等と共有することができ、例えば、同じ薬を重複して出されるような「無駄」がなくなるといったようなことです。
1最近の酷暑の中では、いつ熱中症で病院に運ばれてもおかしくありません。不意な事故で、意図せず病院に運ばれることだって、無いとは限りません。そういう時も、いつもどういう病院でどういう診療を受け、どういう薬を飲んでいるか?緊急時、医師が知ることができるようになることは大事だと考えています。
1マイナ保険証であれば、病院はそういった医療履歴の情報以外にも限度額情報(くわしくはコチラ)や高齢者の場合の負担割合情報(くわしくはコチラ)など、いろいろな情報を把握することができます。そのため、これまでは人によっては別に携帯していた「限度額適用認定証」や「高齢受給者証」といったものも不要になり、マイナ保険証1枚で済みます。
1ちょっと先の話になりますが、マイナ保険証の機能のスマートフォン搭載や(健康保険からは離れますが)運転免許証とマイナンバーカードの一体化についても話が進められています。そうなれば、カードで一杯だったお財布もスッキリするのかな?と期待しています。
1しかし・・・そうとなると、マイナンバーカードの安全性といったところが気になってきます。マイナンバーカードにはICチップが搭載されていますが、ここに医療情報など機微な情報が保存されていて、失くしたら第三者に読み取られてしまうと不安に思っている方もいらっしゃると思います。実はここには「電子証明書」が搭載されているだけで、機微な情報などは保存されておりません。重要な情報は国のサーバーに保存されていて、電子証明書と暗証番号(もしくは顔認証)を使って、国のサーバーにアクセスし、情報を取ってきているだけなのです。そのため、暗証番号や顔認証などセキュリティが掛かっております。
1もう1つの不安なのは、カード自体にマイナンバーが記載されていることでしょう。このマイナンバーを第三者が読み取り、何かに悪用されないか?というところですが、ここで大事なのが顔写真になります。マイナンバーカードを扱う業者はこの写真を以て、本人確認をしたうえで手続きをするため、全くの第三者が本人に成りすまして手続きをする、ということは(業者がしっかり対応している限り)防げるはず!という仕組みです。そもそもマイナンバーカードにマイナンバーを記載すること自体、見直すことが検討されていると聞いております。
2.「資格情報のお知らせ」と「KOSMO WEB」
1保険証が廃止になったら、例えば被扶養者の増加や療養費の申請など健保への届出に必要な記号・番号(現保険証に記載)は無くなるの?というご質問をいただくことがあります。
1保険証が廃止となっても記号・番号がなくなるわけではなく、これまでと変わらず、皆さん1人1人に紐づいています。では、その記号・番号はどこで調べればいいの?となるわけで、それに対し、健保では「資格情報のお知らせ」というものを国からの指示に基づき今秋、発行する予定です。
1一時期、とある健保でマイナンバーが誤って登録されていた…などというニュースが報道されていました。そういう不安を払拭するためにも、10月末には加入者の皆様の記号や番号、マイナンバーの下4桁が記載された「資格情報のお知らせ」を発行し、自身の情報が正確に登録されていることをご確認いただくことを考えております。
1なお、これについては現在「医療費通知」「支給決定通知」「電子申請」等で使っていただいている『KOSMO WEB』という健保のWEBサービスを通じて発行していきます。
110月末頃には、ここからダウンロードできますので、既にマイナ保険証を持っている方も、まだマイナ保険証をもっていない方もぜひアクセスしていただき、自分の情報が正しく登録されていることをご確認いただければと思います。
1なお、このKOSMO WEBですが、先ほど例に挙げた「医療費通知」「支給決定通知」「電子申請」以外に、年に1度の「被扶養者資格確認調査」でも使用します。
アクセスするためにはID・パスワードが必要になります。ちょっと古い話で恐縮ですが、平成26年7月頃(以降に入社された方は入社時に)にID・パスワードの登録に必要な仮のID・パスワードが記載された圧着ハガキを郵送等で送らせていただいております。もし無くされた方は健保HPより再発行が必要となりますので、今のうちにお手続きいただけますようお願いします。
最後に
1保険証廃止という大きな方向性は国が決定したことですが、うまく取り組めば、重複受療/重複処方防止による医療費低減、健保や各社担当者の事務負担軽減など、いろいろな改善が見込めると考えております。加入者の皆様にはぜひその点をご理解いただき、マイナ保険証の推進にご協力いただけるようよろしくお願い申し上げます