日本の労働者の睡眠時間は世界で最も短いといわれています。近年ではパソコンやスマートフォンなどの普及によって生活の夜型化が進み、就寝時間が遅くなることで睡眠時間の減少につながっています。仕事や日常生活により疲労が蓄積していくため、ゆっくり休んで心身ともに回復することはとても重要なことです。
そこで、最も身近な生活習慣である睡眠について目を向けてみませんか。
睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退などを引き起こす原因になります。また、睡眠不足は体内のホルモンバランスにも影響を与えます。睡眠不足の状態が続くと、食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌が亢進するため食欲が増進され、肥満につながりやすくなります。慢性的な睡眠不足状態にある人は肥満や糖尿病、心筋梗塞などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすくなります。
病気の予防のためにも良質な睡眠ができるよう生活習慣を見直してみませんか。
~良質な睡眠をとるポイント~
・1日3食規則正しく食事をする
朝食は簡単なものでもOK。
就寝に近い時間の夕食や間食は消化活動が睡眠を妨げるため控えましょう。
・朝起きたら、カーテンを開けて自然光を浴びる
光により体内時計を24時間に調節する効果があります。
人間の体内時計の周期は24時間よりも長めにできているため、朝の光にはズレてしまった体内時計を合わせる効果があります。自然光を浴びて体内時計を調節しましょう。
・就寝3時間くらい前に適度な運動を習慣にする
眠気は脳の温度が低下するときに出現します。就寝数時間前の運動によって脳の温度を一過性に上げることがポイントです。そうすることで就寝の際の脳温の低下量が多くなり眠りやすくなります。しかし、就寝直前の運動は体が興奮状態になるため禁物です。
・入浴は2~3時間前に行う
睡眠のためには体温を一時的に上げ、その体温が下がる際に眠気を導くと言われています。熱すぎる湯温での入浴は心臓や身体への負担が大きくなるため注意が必要です。入浴の際は、38~40度程度の温度で入浴してみてください。
・就寝前はコーヒーや緑茶などカフェインを多く含む飲料は控える
カフェインを含む飲食物は覚醒作用があります。
敏感な人は就寝5~6時間前から控えましょう。
・就寝前はパソコンやスマートフォン、タブレット端末などの画面を長時間見ない
就寝1時間前から使用を控え、目からの光刺激を控えましょう。室内の照明を半分にしたり暖色系にしたりすることで眠りにつきやすくなります。
ぜひ身近なところから、良い睡眠がとれるよう生活を見直してみてください。
参考・引用:厚生労働省 e-ヘルスネットより