皆さまは、街なかで「マイナ保険証 まず、1度使ってみませんか?」と書かれたポスターを見かけたことはありますか?
私は薬局で見たことがありますが、実はいまひとつ「よし!使ってみよう!!」とはならない印象を受けました。
なぜなら、「データを活用したより良い医療が受けられる」「限度額認定証がいらなくなる」とさらりとしかメリットが書いていないからです。
これだけだと、「今受けられている医療で十分だと感じている人」「健康体でそんなに医療費がかからないよと思っている人」は、使おうという気分にならない気がします。
国が掲げる“DX推進計画”は、ざっくり言うと「デジタルと技術で便利な世の中を実現する」ということですが、具体的にどう便利になるのかが分からないことには話が始まりません。
さらに言うと、“DX推進計画”の一環である「マイナンバーカードの保険証利用」については、「マイナンバーの誤登録」などのマイナス面が大々的に取り上げられて、元々機微な情報として慎重派が多いマイナンバーに対し、さらに不信感を募らせる結果となっていると思います。
いま「なぜマイナンバーカードを保険証として利用した方が良いのか」「マイナンバーカードは他に何に使うのか」「マイナンバーは安全なのか」をどれだけの国民がきちんと理解しているのでしょうか。その部分を最初にきちんと伝えないから、なかなか国民の心に刺さらないのではと、私は思います。
ここで、
➀マイナンバーカードの安全性
➁マナンバーカードの保険証利用のメリット
➂マイナンバーカードの保険証登録方法
➃マイナンバーカードの今後
について簡単にご紹介したいと思います。
詳しくは、各項目の末尾に分かりやすく説明されたサイトのリンクを載せておきますので、そちらをぜひ確認してみてください。
➀マイナンバーカードの安全性
マイナンバーカードは、不正に情報を読み込もうとするとICチップが壊れるしくみになっていたり、「個人情報保護委員会」が不正アクセスを監視・監督していたりと、安全性に対するしくみ・体制がしっかり構築されています。
⇒詳しくはコチラ
➁マイナンバーカードの保険証利用のメリット
引っ越し・就職・退職・後期高齢者制度移行等で保険証が変わるとき、市区町村や勤務先の健保から新しい保険証を発行してもらわなければ、医療機関を受診する際に一旦全額自己負担しなければなりません。マイナンバーカードを保険証として登録し、市区町村や勤務先の健保で加入登録が完了していれば、保険証を待たずに、マイナンバーカードを利用して3割負担(年齢等により異なる)で受診することが可能になります。
また、医師から「今、他の病院で薬を処方されていますか?」と聞かれて、説明できずに困った経験はないでしょうか。多くの場合、薬の名前なんて憶えていないのではないでしょうか。これも、マイナンバーカードで解決できます。マイナンバーカードで本人確認した医療機関では、本人同意の上で、過去の薬剤情報や特定健診結果等を閲覧することが可能となるため、わざわざ説明しなくても済むようになります。
また、健保で登録されている加入者情報がマイナンバーと紐づいて連携されていますので、医療費が高額になる場合に発行申請が必要だった「限度額適用認定証」も不要になります。
⇒詳しくはコチラ
➂マイナンバーカードの保険証登録方法
スマホユーザーで「マイナポータル」というアプリをダウンロードできる人は、そのアプリから24時間いつでも手続きできますし、「セブン銀行ATM▶各種お手続き」からも簡単に登録可能です。いずれも、“マイナンバーカード”と“数字4桁の暗証番号(※)”が必要です。
※マイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取った際に、利用者証明用電子証明書に設定した数字4桁のパスワードのことです。パスワードを忘れてしまった場合は、住民票がある市区町村の窓口にて、パスワードを再設定できます。
(注)再設定をする場合、顔写真付き公的証明書による本人確認が必要となります。詳しくは市区町村窓口にお問い合わせください。
⇒詳しくはコチラ
➃マイナンバーカードの今後
今後のマイナンバーカードは、保険証だけではなく、車の免許証との一体化や、市政や民間サービスにも範囲を広げて図書カード・学生証などとして活用したり、コンサート会場で本人確認できたりと、利用できる場面がどんどん増えていく予定です。「カードばかり増えて邪魔」と言う概念が、むしろ「マイナンバーカード1枚あれば色々できる」となれば、とても便利ですよね。
⇒詳しくはコチラ
私たち健保組合は、国から「2024年12月2日に保険証を廃止するから準備するように」と言われている一方、加入者の皆様からは「手続が面倒くさそう」「カードばかり増えて邪魔」「マイナンバーカードを持ち歩きたくない」などリアルなご意見をいただいております。
健保職員である私も「加入者」ですから、皆様の仰ることはわが事として大変よく理解できます。
しかしながら、国が社会のDX化を進める限り、今後、マイナンバーカードの利便性が高まることは間違いないと思っています。
利用用途が増えるにつれて登録の手間が増えてしまう前に、マイナンバーカード・・・・・準備してみませんか?