けんぽの部屋
2026年6月18日
「夏の冷え対策~その不調、暑さではなく冷えから?~」 横浜みなとみらい健康管理室 保健師 三國由貴

暑い日が続き、職場や自宅ではエアコンが欠かせない季節になりました。
夏は熱中症対策が重要ですが、「なんとなく体調がすぐれない」と感じる方もいるのではないでしょうか。

 

・頭痛や肩こりが続く

・体がだるく疲れやすい

・むくみやすい

・胃の調子が悪い

・便秘や下痢を繰り返す

 

 

このような症状がある場合、「夏の冷え」が関係しているかもしれません。

 

冷えは冬だけの問題ではない

冷え症には明確な診断基準はありませんが、『中枢温と末梢温の温度較差がみられ、暖かい環境下でも末梢体温の回復が遅い病態であり、多くの場合、冷えの自覚を有している状態』と定義されます。
私たちの体は、『衣類や環境温を調節すること』『脳の視床下部を中心とした自律神経やホルモンの働き』によって体温が一定に保たれています。その中で熱をつくる(熱産生)、運ぶ(熱移動)、放散する(熱放散)過程のどこかが複合的に乱れると、冷えにつながります。


また、夏は次のような条件が重なり、気づかないうちに冷えることが少なくありません。
・冷房の効いた室内で過ごす時間が長い
・冷たい飲み物や食べ物をとる機会が増える
・薄着になる
・暑さで運動不足になりやすい

そのため、夏でも冷えによる不調が起きることがあります。

 

今日からできる冷え対策

1.朝食を食べる

朝食をとると、消化・吸収の過程で熱がつくられ、体温が上昇します。
また、肉や魚・卵・大豆製品などのたんぱく質は、筋肉や熱を作る重要な栄養素なので意識的に取り入れることがおすすめです。(タンパク質の1日食事摂取推奨量:成人男性 65g、成人女性50g)
「朝はコーヒーだけ」という方は、まずは何か一品でも食べる習慣から始めてみましょう。

 

2.温かいものを取り入れる

つい冷たい飲み物や食べ物ばかりとると、身体が冷えやすくなります。
温かいスープやノンカフェインの飲み物等や、身体を温める食材の生姜や根菜類を取り入れるのがおすすめです。

 

3.運動する

筋肉量を増やすこと、血行を良くすることが冷え予防のポイントです。
・筋トレをする→スクワットや腹筋が効果的
・30分程度のウォーキング/ランニング
・通勤時に階段を利用する
・ストレッチをする
など、無理なく続けられることから始めてみましょう。
デスクワーク中心の方は特に下半身への血流が滞りやすいため、1時間に1回程度足首を回したり、立ち上がって肩回しやストレッチをするようにしましょう。

 

4.衣類について

冷房が効いた室内では、冷えを感じる前にストールやカーディガンなどで体温調節をしましょう。
また、しめつけの強い衣類や靴は血流を妨げるため、しめつけのない下着や靴を選びましょう。

 

5.その他

自律神経を整えるためには十分な睡眠が重要です。
入浴や軽いストレッチ、深呼吸などを取り入れ、心身をリラックスさせる時間をつくりましょう。
また、禁煙に取り組むことや、飲酒を適量とすることも大切です。

 

さいごに

夏の不調は、暑さだけが原因ではありません。
「夏になると体調が悪い」「冷えがつらい」と感じる方は、是非できることから取り入れてみてください。
なお、冷え対策を行っても症状が改善しない場合は、甲状腺疾患や膠原病等が隠れていることもあります。気になる症状が続く場合は、一度医療機関へご相談ください。

 

【引用・参考HP】

・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年度版)」策定検討会報告書 P103

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf

・冷えと自律神経-伊藤剛

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/59/1/59_10/_pdf/-char/ja

・冷え症の生理学的メカニズムについて一健常成人男女の自律神経活動と熱産生による検討一/福岡知子他

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocp/52/2/52_87/_pdf/-char/ja