けんぽの部屋
2024年12月11日
「災害時の健康のための備え」  新宿健康管理室 保健師 宮田理絵

今年(2024年)の元日に「令和6年能登半島地震」がありました。

石川県出身の私は帰省中に地震に遭い、災害への備えの大切さを再認識しました。そこで、災害時や被災時の健康への備えについてお伝えしたいと思います。

1.災害時に健康のために備えておくこと

災害時は環境の変化や過度のストレスなどにより体調の変化がみられることが予想されます。そのため、普段から自分の身体の状態を把握しておくことが必要です。
持病がある人は、通院や治療管理を行い、病状を安定させるよう心がけることが大切です。
また、災害を乗り越えるためには体力が必要であり、体力作りも重要です。日頃から体力の維持・向上に努めるとよいです。ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングなどを日常で取り入れることをお勧めします。

食料などの備蓄品以外に、災害に備える防災グッズには以下などが挙げられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.被災した際の健康面の留意点

災害時は断水や停電、普段とは異なる生活を強いられるなどの理由から病気にかかるリスクが高まります。

①病気の予防
避難所などでの集団生活では感染性胃腸炎や食中毒などの消化器系感染症や風邪などが流行しやすくなります。また、家屋などが倒壊することで粉塵を吸入するリスクが高まり、じん肺という病気にかかる可能性があります。


避難所生活で健康に過ごすため(厚生労働省) 参照
災害時の食中毒予防のために(厚生労働省) 参照

②心のケア
地震のように重いストレスにさらされると誰でも不安や心配などの反応が現れます。
時間の経過とともに少しずつ回復しますが、外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病などを発症する場合もあります。
休息や睡眠をしっかりとる、安心できる人と話をする、深呼吸してリラックスする、軽い運動やマッサージをする、気分転換を図るなどを行い、ストレスに対処することが大切です。

 

参考:
被災地での健康を守るために(厚生労働省)
非常時の持ち出し品・備蓄品チェックリスト(日本赤十字社 東京都支部)
避難所生活で健康に過ごすため(厚生労働省)
災害時の食中毒予防のために(厚生労働省)
職場における災害時のこころのケアマニュアル(独立行政法人労働者健康安全機構)